「最果ての四国へ」というパンフレットをデザインさせていただきました! 四国奥地への旅。その新しい指針となり得る最新コンセプトブックです。
「最果ての四国へ」
今回の「最果ての四国へ」というキャッチコピー。
それなりに刺激的に感じていただけたようで、すでに周囲の方から「なぜこんなタイトルに?」との声が、ぼくにも届いています。
そのわけは、後ほど!
ひとまず、今回作ったものをまとめてご紹介~!
まずはパンフレットです。
いつもより少し大判なB5サイズ。表紙はPP加工。全40ページです。
表紙を開くと、まるでもののけ姫のシシガミの森のような風景が。
今回は基本的には、写真集です。
写真はプロの方の素材や各地域から提供いただいたもの、またはメルカドデザイン撮影。
テキストは最後の見開き以外、ほとんどありません。
本誌では、南予や四万十川といった〈四国の奥地〉で、アウトドア・アクティビティを楽しむ人の姿や、その人たちを包む壮大な風景が展開します。
今回は、プロトタイプ的なパンフレットとして、滑床渓谷でのキャニオニング、愛南町でのシーウォーカー、四万十川でのサイクリング及びカヤックなどをご紹介。
ほんとうは、というかいつかは、四国全土の〈まだ知られていない〉壮大な世界を表現する写真集を作れたらいいな~という想いです。
そして最後は、その土地の、よりローカルな風景でしめくくり。
旅とは、観光スポットを巡ることではなく、見知らぬ地を歩き、その土地に暮らす人々と出会い、より深い世界に触れること。
で、最後に「最果てに遊ぶ」というタイトルで、「最果ての四国へ」と銘打ったこのキャンペーンのコンセプトを、ぼく自身が書いております。
以上がパンフレット。
そしてB2ポスター。
さらにこちら!
A4クリアファイルです。表面は表紙と同じイメージで、裏面は滑床渓谷のキャニオニング。
そして、パンフレット、クリアファイル(場合によってはポスターも)を入れる袋です。これにキット一式を入れてプレゼンに持参したり、お客様にプレゼントすることができます。
表面はあえて表紙とは違うイメージに。今回は、山登りマップで使用したイラストで連動。
裏面は透明になっているので、写真のように中身が見えます。
以上のものをデザイン、制作させていただきました。
「最果ての四国」とは?
なぜ今回、「最果ての四国へ」というキャッチコピーにしたのか?
「最果て」ということばからは、どちらかといえばむしろネガティブな印象を受けられることかと思います。ぼくもそう思います。
しかし、あえて「最果て」を謳うことにしたのには、もちろん理由があります。
四国(特に左下の地域)は遠い!
まずこの点。それこそ松野町や、南予に住んでいる方はこう思われると思います。
「そんなに遠いかなあ?」
多分、地元に住んでおられる方こそ、ここが一番ピンと来ない部分だと思います。実際、ぼくも松野町に住んでしまうと、そこまで遠くは感じません。
ですが、初めて来たときはこう思いました。
「四国のはじっこか~!こんなところまで来ちゃったな~!」と。
特に松山から海岸線を南下しながら、強くそう思いました。
進めば進むほど「はるか遠い地へ向かっている」と感じたのです。
つまり、四国の奥地は「こんなところまで来てしまったぞ!」と思える場所であり、そしてそれこそが、そんじょそこらにはない、特別な希少価値になり得る強み!だと思うのです。
2泊3日ではムリがある
これも、実体験に基づくぼくの見解です。
東京から愛媛に移住して、友人・知人から、
「こんど行ってみてもいい?」
とは、よく聞かれるのですが、
ぼくらが松野町に住んで、もうすぐ5年。
これまでぼくらの親族を含め、松野町までたどり着けたのは…、
なんと、ぼくの母と、奥さんの母、この2人だけw
(しかも目的はひーくん)
都会の人の休みは短く、ふつうは旅行しようと思ったら、2泊3日です。
2泊3日だと、松野町にたどり着くまでに要する時間がちょっと長すぎるようで…。
おそらく「行ってもいい?」と思ってくれた人も、いざ行こうと思って調べると、「…また今度にしようかな」という結論にたどりつくのかとw 想像されます。
最果てに行ったことがあるということ
このブログではもう何度も書いているとおり、ぼくと奥さんは夫婦で世界一周の旅をしました。その旅で、ぼくらは南米大陸の南端、パタゴニアにも行きました。
☆ プエルト・モン→プンタ・アレナス:30時間バス移動(小さな世界一周)
パタゴニアには、飛行機でも行けますが、ぼくらは何日もかけてバスで行きました。その道中、何十時間も景色が変わらないような、最果ての地を目の当たりにしました。
世界一周をしてみるとわかることですが、世界一周をしている日本人は、思っているより大勢います。そういうバックパッカー同士の間でのステイタスとして、次のようなものがあります。「なかなか誰も行かない町」や「自分だけが知っている僻地の小さな村」や「行くのがものすごく大変だけど素晴らしい風景が見られるスポット」といった、行くのが大変、行くのが難しい、ネットにも情報がない、まだ誰にも知られていない場所、そういうところに行ったことがあるということ、それが自慢できるネタになったりするのです。
そして、そういうところを目指したくなる気分、というものがあります。
有名な観光地ではない、まだ誰にも知られていない、最果ての四国。
そういう価値観こそ、四国の奥地にぴったり当てはまるイメージではないでしょうか。
着地型観光へ
そう、ぼくらの暮らす四国の奥地は、近くない。
むしろ、めちゃくちゃ遠いのだ!ということこそ売り文句にすべきかと思うのです。
「意外と近かったでしょ?」
ではなく、
「めちゃくちゃ遠いから、マジで。覚悟してきたほうがいいよ」
そういう風に言いましょうw
めちゃくちゃ遠い。
でも、来たからにはそれだけの価値がある場所。
2泊3日ではこれない。
むしろ、こんなところまできて、2泊3日で帰るなんてもったいない。
1週間とか、10日とか、1カ月とか…。
ぜひ、腰を据えて、楽しんでいただきたい。
着地型観光こそ、ぼくらの暮らす四国のはじっこには向いているのではないでしょうか。
疲れた都会の人にこそ響くはず
そしてまた、これも重要な点!
今回のこの「最果ての四国へ」というキャンペーンは、県内ではなく県外、東京や大阪など、大都市に暮らす方々の、疲れた心にこそ響かせたいキャンペーンなのです。
というか、下記に述べる都会の人がターゲット!です。
松野町に暮らしていると、ほんと~に、まったくストレスのない生活が送れます。
それは、逆にいうと、もともと東京に住んでいたぼくからすれば、こういうことです。
「都会は、恐ろしく疲れる」
これはもう、ほんとーにそうなんです。
かつてぼくも、毎朝片道1時間半、往復3時間を、満員電車での通勤に費やす生活を送っていました。(今では考えられない…!)
毎晩、仕事に疲れて会社を出たあと、家に帰るために、また1時間半満員電車に乗る。
そういうときにこそ、都会に暮らす人、帰宅途中のサラリーマンは「あー、どっか行きたい。休みたい、癒されたい」と思うのです。
ぼくもまさにそうでした。通勤時に現実逃避としてよく読んだのが、カヌーイストの野田さんの本や、石川直樹さんの本、椎名誠さんの本でした。それが癒しでした。
まさに現実逃避。疲れてるでしょw?
田舎に癒されにくる都会の人というのは、そういう世界からやってくる人たちなのです。
癒されたい。どこか遠くへ行きたい。誰も知らない世界へ行きたい。
残業帰りのサラリーマンで溢れた、満員電車の車内広告に、「最果ての四国へ」の広告が貼られているところを想像してみてください。
疲れたOLやお父さんたちがそれを見て、「あー、こんなとこあるんだ」って思っていただけそうな感じしませんか?
そういう視点に立ったキャンペーンでもあります。
最果てに遊ぶ。
以下、せっかくなので「最果ての四国へ」のコンセプトとして書いたテキストも掲載します。ぼくが書いたものです。
パンフレット に掲載したものは少し長いので、ポスターに載せたショートバージョンを。
四国を旅したこと、ありますか?
四国の奥地には、東京から最も遠い「最果ての地」があることをご存知でしょうか。
近年、四国でも中心的な都市部には、LCC(格安航空会社)が何便も往来するようになり、全国各地から、安く・速く、行けるようになりました。
でもそれも、あくまで都市部のはなし。
誰もが知っている代表的な四国観光は、今や気軽に楽しむことができますが、四国は、そういった有名観光スポットではない場所にこそ(あえていえば「僻地」にこそ)未だにほとんど知られていない、素晴らしい大自然や景勝地が、数多く埋もれていることをご存知でしょうか?
旅慣れた人ほど、むしろ観光地を避け、見知らぬ土地を目指します。
なぜなら、見たことも聞いたこともない世界で、ものスゴイ景色や、美味しい料理に出会うことのほうが、ずっと感動が大きいことを知っているからです。
自分で見つける、自分だけの世界。
それを「発見する喜び」こそ、本当の旅の醍醐味なのです。
そんな旅の醍醐味を味わう地として、「見知らぬ土地」の宝庫である四国はまさに、最適の旅先といえるでしょう。
かつて日本最後の清流と呼ばれた四万十川や、仁淀ブルーで知られる仁淀川は有名ですが、愛媛の秘境といわれる滑床渓谷、愛媛と高知の県境にある四国カルスト台地、四国最南端の足摺岬、徳島の山間部にある大歩危峡・小歩危峡、内子町五十崎の泉谷の棚田、九州にほど近い佐田岬、高知の最果て室戸岬、山岳信仰の聖地として山伏が崇める石鎚山などなど…。それらの地はすべて、空港のある四県の中心部から車で数時間移動しないとたどり着けない四国の奥地です。
気軽に行くには不向きな、訪れるのにそれなりの覚悟が必要な旅先です。二泊三日で行ける場所ではありません。
そう、四国の奥地は、実に遠いのです。
東京からアクセスしようと考えると、むしろ九州や沖縄より遥かに遠く、まさに「最果ての地」といえるでしょう。
しかし、であるからこそ、観光客の訪れない、まだ誰も知らない、魅力的な「最果ての旅先」が数多く存在するのです。
最果ての四国へ。
本当の旅の醍醐味を味わいに、
訪れてみてはいかがでしょうか。
ロングバージョンを読んでみたい方、パンフレット等をご希望の方、または四国の奥地へ興味のある旅行会社さんや代理店の方は、下記までご連絡ください。
☆ 最果ての四国へ お問い合わせ先
松野町役場ふるさと創生課 0895-42-1116