2014年にJR四国さんと制作した「予土線3兄弟乗換攻略イラストマップ」です。もちろんJR四国公式!です。
JR予土線は、愛媛県の宇和島から、高知県の窪川駅(実際は若井駅)まで走るローカル単線列車です(ちなみにディーゼル)。NHKの朝ドラ「あまちゃん」に登場した北三陸鉄道をイメージしてもらうと近いかもしれません。
こちらが予土線。写真は地元の人になじみ深い普通車輛です(予土線3兄弟ではない)。
このイラストマップは、愛媛と高知の県境に近いいくつかの駅をピックアップし、その駅周辺をイラストマップ化したシリーズ。
松野町の松丸駅編の他、土佐大正駅編、江川崎駅編、近永+出目駅編の4種を制作しました。
2014年に「日本一遅い新幹線」と銘打った鉄道ホビートレイン(0系に似たデザイン)がデビュー。すでに運航されていた、海洋堂ホビートレイン、しまんトロッコと合わせて「予土線3兄弟」キャンペーンが展開されました。
鉄道ホビートレインは大好評で、多くの鉄道ファンが予土線3兄弟に会いに訪れました。
1日で3兄弟を乗り継ぐことも不可能ではないのですが、いかんせん本数が少ないので、乗換に時間がかかり、ローカルな駅での滞在時間が長くなります。
「乗り換えで滞在時間が長い」。
そうです!だったら、それら乗換駅のイラストマップを作って、せっかくの長い滞在時間を有効利用してもらうべく、ローカルな町を観光してもらおう!
という趣旨のイラストマップです。
こちらが、松野町の駅「松丸駅編」。
画像は開いた状態ですが、実際は二つ折りになります(A5サイズ)。
上の画像の左半分が表紙、右半分が裏表紙です。
裏表紙には、2014年当時の乗り継ぎ情報を記載。
「こうすれば3兄弟を1日でコンプリートできるよ」という情報が載っています。
イラストマップは、松丸駅周辺。
道の駅や、駅周辺の飲食店情報が載っています(2014年当時の情報)。
こちらも愛媛県。鬼北町の駅「近永駅・出目駅編」です。
2駅分でかなり広範囲が網羅されていて、実はこのマップが一番大変でした。
鬼北町近永周辺はこうしてみると、飲食店がたくさんあります。
2014年当時のマップなので、まだ道の駅に鬼のモニュメントがありません。
こちらは高知県。「土佐大正駅編」です。
実は、あの海洋堂の創設者である館長さんの生まれ故郷に近いこの駅。
海洋堂ホビー館やかっぱ館がなぜこの近くに建てられたのか、というのはそういう理由からです。四万十川焼酎銀行には、海洋堂制作の無手無冠(地焼酎)根付なども販売されています。
ちなみに、となりの駅は土佐昭和。
かつてこの地を天皇陛下が訪れたそうで、土佐大正は大正時代に来訪され、土佐昭和は昭和に訪れたことが地名の由来なのだとか。
最後は、カヌー館や日本最高気温記録など、四万十川観光で有名な「江川埼駅編」。
こちらも高知県です。
2016年となった現在では、道の駅周辺の様子が、がらりと変わっていますが(今では「道の駅よって西土佐」が建っています)このマップではまだ消防署があり、産直も西土佐ふるさと市です。
実は、この江川埼の役場である、西土佐支所さんには、予土線イラストマップがきっかけで、その後もお世話になっています。
この翌年、さらに詳細なイラストマップの制作をご依頼いただき「江川埼/中村イラストマップ」のデザインを担当しました。
そのマップもご好評いただき、改訂版を増刷し、2016年現在まで配布されつづけています。そのように継続して頂けるのは、デザイナーとしてはとても嬉しい事例。
ありがたいお話しです。
この予土線3兄弟イラストマップは、残念ながら初回印刷分がなくなった時点で絶版となりましたが、「江川埼イラストマップ」の他、松野町でも松丸駅に設置されている「松野町全域イラストマップ」をデザインさせてもらうなど、いろいろなイラストマップのお仕事に繋がった、とても広がりのあるプロジェクトでした。
いつか機会があれば、JRさんともまたお仕事できたらいいな~と思っております!
☆予土線3兄弟は現在(2016年)も元気に運行中です!(海洋堂ホビートレインはデザインが変更)