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短期集中連載「わが家の移住プロセス」第3回!車中泊の旅「後編」です。四国に入り、愛媛県を南下するぼくら。車中泊の旅もいよいよ佳境!果たして本当に移住先は見つかるのか!?



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前回からのつづきです!

九州から山口県、そして広島県へと、瀬戸内海岸線を走り抜け、いよいよ尾道からしまなみ海道を渡って四国へ。ぼくはこの時が初四国でした。

これまたせっかくのしまなみ海道なのに、渡ったのは夜。まっくらで何も見えませんでした。ていうかわかってなかったですね。しまなみ海道のすごさは移住後に知りました。

というわけで、ぼくらの移住探しの旅は、いよいよ愛媛県へ突入します。

 

愛媛のファーストインプレッション

愛媛の第一印象、それはズバリ!「スーパーDIO」でした。

まっくらで何も見えない、夜のしまなみ海道を抜け(島も橋もまっ暗闇)ぼくらが四国(今治)に入ったのは、夜の21時過ぎぐらいでした。

夕飯も食べずに、夜道を数時間、ほぼノンストップで走り抜けたので、おなかぺこぺこ、身体もくたくた。

四国も海岸線を走るつもりだったので、今治は市街に向かわずそのまま海の方へ。でもそれが「吉」と出ました。心身ともに疲れきっていたぼくらの目の前に、まるでオアシスか救世主のように現れたのは、暗闇の中、明るい電気に照らされた1軒の大きなスーパーでした。

「あっ!スーパー!まだやってる!」迷わず車をスーパーの駐車場に入れ、「やったー」と、喜びいさんで店内へ。こんな時間(21時半頃)に営業しているスーパーに入れただけでも嬉しかったのに、そこはまるで、がんばったぼくらへのご褒美のような、信じられない光景が広がっていました。

「えっ!?ちょっと!なにこれ!?すげえ!」 まさにベストタイミングでした。たまたま入ったこのスーパーの「半額タイム」にかち合ったのです。もともと激安のお惣菜や太巻きに、さらに半額シールが貼られていました。2人ともテンションマックス!疲れも吹き飛び、元気を取り戻しました。

たとえばこんな具合です。たこ焼き100円が50円、コロッケ3個100円が50円、太巻き(8個)298円が半額で149円、ナポリタン139円が70円、などなど。

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こちらが、そのスーパーDIO(今治北店)。右が爆買いした半額お惣菜の数々です。

このスーパーDIOは、以前このブログでも紹介した「スーパーラ・ムー」と同じ系列店。名前が違うだけで中身はほぼ一緒です。

何を隠そう、ぼくらはスーパー大好き夫婦です。世界中どこに行っても必ず行くのはスーパーと市場。日本の激安スーパーは奥さんの大好物で、さらに好物なのが半額シールです。この時のスーパーDIOは、その両方を兼ね備えてくれていました。

そんなわけで、ぼくらの愛媛の第一印象は、この「スーパーDIO」でした。

誤解のないように言っておきますが、それは「めちゃくちゃ好印象!」という意味です。

実際、こういうスーパーが近くにあるかないかは、ぼくらにとっては、かなりプラスの条件になります。

スーパーDIOを満喫して、この夜は少し南に下った海岸沿いの駐車場で車中泊しました。

 

美しい海岸線を南へ

こちらが車中泊した海岸の風景。

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夜はちょっと寂しい感じでしたが、明るくなると綺麗な海岸でした。ただトイレも何もないので、朝起きてすぐにコンビニなどに移動しました。

この日も天気がよく、海もきれいでした。ぼくらは海岸線に沿って愛媛を南下しました。

この車中泊の旅では、基本的に都会はスルー。松山も中心街には立ち寄りませんでしたが、エミフル松前に隣接する産直「まさき村」には立ち寄って休憩。

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松山を抜け、更に海岸線を南下します。

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こちらは、松山から少し南下した双海の海。道の駅「ふたみシーサイド」の前にあるビーチです。ここも綺麗ですよね。それにしても、天気って大事ですね!特に綺麗な海のある場所では、印象がまるっきり変わってしまうと思います。

この日ドライブしたのは、こんな海岸線。

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こんな気持ちの良い海岸沿いをずーっとドライブしました。ぼくらの脳内には「愛媛の海って、きれいだなあ」という印象がインプットされました。



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伊予長浜から宇和島へ

さらに海岸線を南下して、「肱川あらし」で有名な伊予長浜へ。最近では長浜高校の水族館部なんかも話題に。ここも実は、雑誌ku; nelの記事をみて立ち寄った町でした。

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上から、跳ね橋でもある「赤橋」、町のマスコット魚「モブちゃん」、そして「あらし饅頭」。比較的活気のある商店街を中心に、水族館もある長浜高校や、肱川あらしなど、小さな町の割には、意外と名物の多い伊予長浜。雰囲気も良く、なかなか居心地も良さそう。こういうところに暮らしてみるのも楽しいかもな~と思った町でした。

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伊予長浜からさらに少し南下したところにあったじゃこてん屋さん。初じゃこてん。

 

さて、この旅のスタート時に、ぼくらがなんとなくイメージしていた移住先というのは、「」とか「漁村」とか、海に近い場所でした。それ故に、出来るだけ海岸線を走ってみたのですが、ここまで来てもまだ、候補地として考えたい場所に巡り合えずにいました。

ものすごく景色の良いところはあっても、「住んでみたい」とはちょっと違うのです。

この辺りの海岸線を走りながら、奥さんとその辺のことを話しました。すると奥さんは「…もしかすると、ちょっと違う、なんていうか、里山みたいなところかも」とつぶやきました。

なるほど!いや、それはぼくも同感です。実際そうかもしれません。

というわけで、長らく走っていた海岸線をちょっと離れてみることに。ぼくらは伊予長浜から、とりあえず宇和島を目指して進んでいたのですが、その道すがら、ちょっと山の方に入ってみたりしました。

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どこだったか、よく憶えてないのですが、宇和島に行く途中で海岸線を離れ、ちょっと山の方に入ってみたところにあった神社です。なかなかよい雰囲気。この集落、というわけではないけれど、確かにこんな感じのところの方が、少しピンと来るのかもしれないな~と思った場所でした。

そんなこんなで宇和島へ。



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宇和島の夜

宇和島に着いた頃には、とっぷりと日も暮れ、道の駅はすでに閉店していましたが、今夜はここで車中泊をすることに。すぐ裏が漁港になっている「きさいや広場」という道の駅です。

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さて、実はこの宇和島での夜が、この旅のターニングポイントとなりました。

車中泊の旅をはじめて、この時点ですでに9日か10日が経過。さすがに2人ともちょっと疲れがたまってきていました。旅をしているのは楽しいけれど、10日近く各地をまわって、いまだ移住候補地がまったく見えてこないのは、ちょっと問題です。

その辺りのことを、この夜、車の中で2人で話し合いました。

いろいろ話し合った結果、ぼくらの結論はこうでした。

「いったん、東京に戻ろう」

このまま続けてもいいけれど、この調子で、行き当たりばったりで先に進んでみても、見つからない確率が高い。今回はあくまで「移住先を見つける」という目的があるので、それを達成できる見込みを失ったのなら、ここは潔くいったん東京に戻って、体制を立て直そう。

そう、決めました。

そして、この決定こそが、ぼくらを新たなる道へといざなう要因となったのです。

 

滑床渓谷へ

翌朝、きさいや広場の駐車場で起床したぼくらは、もうOPENしていた産直で朝ごはんをゲット。ご覧ください、それがこちら。

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左が天然真鯛の刺身で、右がデコポン(3個で200円!)です。この真鯛の刺身がめっちゃくちゃ美味しかった!しかも300円!

まだこの頃のぼくらは、移住前のウブな東京人だったので、「天然真鯛の刺身の柵がこのサイズで300円てマジか!」という感じだったのです。移住後はすっかりスレてしまいましたがw 実際、東京では倍出しても買えないと思います。朝から真鯛のお刺身で大満足!でした。(お刺身は持参したアーミーナイフで切って食べました)

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★安くて美味しい地元の食材

ちなみに、こういう安くて美味しいものにありつけると、ぼくらの中ではかなりの高ポイントです。なぜなら、「ここに住めば、この値段で、このクオリティの食材に毎日ありつける!」という意味ですものね。

 

さて、この朝ごはん時に、奥さんがどこかで貰ってきたこの辺りの観光パンフを見ました。その中に掲載されていた記事から、近くに滑床渓谷というよさげな渓流がある、という情報を得たのです。

この日は、朝から帰路につくつもりでしたが、まあせっかく四国に来たので、高知から讃岐うどんのある香川へ抜けるルートで帰ろう、と考えていました。で、滑床渓谷はというと、地図で調べると、ちょうど宇和島から高知に抜ける方向にあるようです。それじゃあ、まあ、ちょっと疲れてるし、渓流で癒されて帰ろうかと、その渓谷へ寄り道することに。

2011年4月26日の朝、ぼくらは宇和島の道の駅から滑床渓谷へと向かいました。

こちら、その途中で立ち寄った道の駅の産直です。

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松野の人にとっては、懐かしい写真だと思います。見おぼえありますよね? リニューアル前の虹の森公園の青空市場です。懐かしい~!

まさか数年後に、この産直のリニューアル事業に自分が携わり、「かごもり市場」の名付け親になるとは、このとき夢にも思いませんでした。

宇和島から滑床渓谷へと向かう、道すがらの景色。

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宇和島から車で30分ぐらい山の中へ入ったあたりでのこと。

…なんか、この辺よくない?

10日近く旅をして、やっとぼくらの口から出た台詞でした。帰ろうと思ったその矢先、帰りがてらちょっと寄り道しようと思ったその途中の道で、ついにぼくらは、なんとなくピンと来る場所にさしかかったのです。

季節は4月の終わり、田植えが始まる直前で、ちょうど田に水が張られたばかりの、なかなか良いタイミングでした。(訪れる時期って大事ですよね)

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そしてここ!滑床渓谷の少し手前のとある場所。「あーっ!ここ!この家に住みたい!」奥さんがそう言ったので車を停めて降りてみました。

いいかも!ここいいかも!昨夜まで疲れ切っていた二人の顔が、みるみる晴れやかになっていきました。ごうごうと流れる川の流れ。凛とした空気を深呼吸して、さらに先へと進みます。



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こんなところに、こんなところが!

くねくねとした細い山道を、更に15分ほど車で登っていくと、その行き着く先には、予想をはるかに超えた素晴らしい場所が待っていました。

こんなとこに、こんなすごい場所があるなんて…!まさにそんな感じでした。

それがここ、滑床渓谷です。

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すごくないですか?澄み切った清浄な空気に包まれた森と渓流。もののけ姫のシシガミの森と言えば言い過ぎかもしれないですが、そう例えたくなるぐらい、マイナスイオンに溢れた場所でした。

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こんなすごい場所なのに、観光客がいるわけでもなく…。それでいてちゃんとぼくらでも歩けるようなハイキングコースも整備されていて…。偶然訪れてしまったパワースポットに、「これは、すごいねぇ…」と、ぼくらはただただ感動とするばかり。「こんなところの近くに住めたらいいねえ」そう思いました。

いやー、すごい!すごすぎる!何ここ?どこ?

渓谷を堪能したあとで、ようやくぼくらはカーナビで今いる場所がどこなのかを調べ、ここが松野町という場所であることを知りました。

 

松野町役場のゆる~い対応

こういう機会を逃してはなりません。ぼくらはその足で、松野町役場へ向かいました。とりあえずダメ元で、なにか移住に役立つ情報はないか、直接問い合わせてみるつもりでした。

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来た道を車で30分ほど戻ったところに松野町役場はありました。

もうダメ元なのであまり躊躇もなく、受付で「松野町さんて、移住の斡旋みたいなことやってたりしますか?」と聞いてみました。「少々お待ちください」と言われ、少し待つと、担当者らしき方がお二人出て来てくれて、「まあまあ、とりあえずこちらへどうぞ」と、奥に通してくれました。役場で移住について相談して、奥に通されたのはこれが初めてでした。

「いや~、うちもそろそろ、そういうことやらなきゃって思ってたとこなんですよ」

奥に通され、2人で椅子に座って、ぼくらが役場に来た訳を話したところ、担当者の方はそんな風におっしゃいました。

これは、ゆるいな~笑

それが、松野町役場の第一印象でした。

 

その日のうちに家を見る

役場で30分ほど話をした後に、なんと、空き家を見せてもらえることになりました。

それがこちら。

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左が大家さん、右がぼくらの相手をしてくれた役場の井上さんです。

大家さんの親戚ご夫婦が住んでいた家なのですが、お子さんのいる松山に引っ越されて、今は空いている家、とのことでした。「家と土地でもう100万でええよ」とおっしゃる大家さん。 え~っ!?ほんとですか!?と、最初はそんな感じでした。

その後、大家さんのお宅に上がらせてもらって、お茶を出していただき、2時間ほどぼくらの素性を話したり、松野町の話をうかがったっりしました。

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写真は大家さん宅の立派な玄関スペース。

そんな風に、あれよあれよと話が進み、いつの間にかこの松野町が、ぼくらの移住候補地筆頭になってしまったのです。



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移住に必要なもの③「移住先」

ここまで長々と書いたとおり、ぼくらが移住先として考えた松野町は、ぼくらの親類縁者がいたわけでも、事前に情報を持って訪れたわけでもない、本当にたまたま通りかかった場所でした。という感じなので、あまり参考にならないかもしれませんが、少なくともこれだけは言えると思います。

移住先は、現地に行くまで決まらない

いくらネットに情報が溢れているとはいえ、実際に現地を訪れないとわからないことの方が現実には多いです。自分が想像・妄想していたイメージと、実際の雰囲気や空気感、そこに住む人たちの感じは、けっこう違うもの。気になる候補地が見つかったら、「なるべく」ではなく「必ず」、現地を訪れてから決めた方がいいと思います。情報だけで決めるなんて、物件を見ないで家を買うようなもの、ですよね。

出来るだけ複数の候補地を検討すべし

振り返れば、ぼくらもこの旅で10か所以上の島や町を巡りました。そのどれもがなかなかピンと来なかった、というのが本当のところです。たとえ早い段階でピンと来る場所が見つかったとしても、出来るだけ多くの場所を比較検討した方がいいと思いますし、すればするほど、最終的に選んだ場所に「確信が持てる」と思います。

 

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★移住先探しに失敗しないためのプロセス

ぼくらの移住先探しは、行き当たりばったりのように見えたとは思いますが、楽しみながら、でもかなり慎重に、自分たちの嗅覚を信じて探した結果、なんとか移住先を見つけることができた、のだと思います。

こう見えて実は、ぼくらは常に「失敗を警戒」しています。なにより失敗は効率が悪いので。世界一周のときもそうでした。ぼくら夫婦は、結局一度も危ない目に合わずに済みましたが、たぶん人一倍、警戒を怠らないよう気を付けていました。バックパッカーで不運にも危ない目に会う人は、単純に本人が気を抜いていた場合がほとんどだと思います。もしくは、極めてアンラッキーだったか…。

移住に「失敗」する人にもいろんなケースがあると思いますが、まずは、ある程度「失敗を警戒すること」も必要だと思います。それをさぼると、失敗に直結しやすいです。

ただし!ここ重要。勘違いするとまずいポイントは、「失敗を警戒する」とは決して「リスクを避けて何もしないことではない」ということ。

失敗をまったく恐れず突き進むのも失敗しやすいし、リスクを避けすぎて何もしないのはそれ以前の問題、という感じでしょうか。

自分たちが楽しみながら、やりたいと思ったことを実現するために、慎重に、でも積極的に、失敗を警戒しながら、自分を信じて(迷ったら確認しつつ)最後までやり遂げる

移住に失敗しないために必要なのは、そういうプロセスだと思います。

(もちろんその前に、楽しくないと話にならないですけどね!)

 

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というわけで、偶然にも、移住候補地「松野町」と出会えたぼくらは、「とりあえずよかったよかった」と、帰路につきました。

この後、高知香川に立ち寄りながら、東京の家に帰りつくまでには、まだ3日ほどかかるのですが、とりあえず今回はここまで。

 

実は、移住したのはこの1年後

そう、実はすぐに移住したわけではないのです。

焦ってもしょうがない、というか、焦るべきではない、と思っていました。東京に戻った僕らは、じっくりと時間をかけて移住の準備に取り掛かります。

次回!移住の〈準備編〉その1です。

お楽しみに~!

 

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第1回世界一周の旅

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第2回車中泊の旅(前編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第4回移住の準備(仕事編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第5回 移住の準備(下見&引っ越し編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第6回 空家リフォーム(自力編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉最終回 移住後の暮らし

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