さあ、お待たせしました!松野町の秋祭りクライマックス「松丸鉢合せ編」です。「吉野編」では、里山らしいのんびりとした雰囲気をお伝えしましたが、最後は一転!松丸部落の秋祭りのラストを飾る「鉢合せ」をレポートします。
松野町の秋祭り/松丸編
吉野の武者行列と双璧を成す、松野町松丸部落の秋祭り。
五ツ鹿踊りこそ行われませんが、こちらは「牛鬼」と「四つ太鼓」が集落の中を練り歩きます。
そして、ひととおり練り歩いたその最後、「牛鬼」と「四つ太鼓」が、同じ場所に戻って来て、そこで鉢合せが行われる、というわけです。
有名な松山道後の鉢合わせと、宇和島の牛鬼が融合したかのような「牛鬼と四つ太鼓」の鉢合せ。
東予・中予では山車やお神輿の鉢合わせが多いですが、南予はこのスタイルです。
鉢合せの舞台となるのは、JR予土線松丸駅を出てまっすぐ歩いた(写真正目が松丸駅)突き当りにある正木酒造(松野町に唯一残る地酒の造り酒屋)そのお店の前です。松丸駅前には、露店も数軒並びます。
こちらが正木酒造(松丸駅を背にするとこの風景)。
あまり広くない道路で鉢合せするので、少し高い駐車場が観客席になっています。
正木酒造前で、練り歩きを終えた牛鬼を待っていると…。
現れました!牛鬼です。
宇和島でも赤や紫の布に覆われた牛鬼が多いですが、松丸の牛鬼は昔ながらのシュロ仕様。
徐々に迫りくる牛鬼。すでになかなかの迫力。
男たちの威勢の良い掛け声とともに、牛鬼は正木酒造前でぐるぐるとまわります。
そしてその後から、宿敵(?)四つ太鼓が登場!
四つ太鼓も正木酒造前でぐるぐるまわり、やがて牛鬼がいる方向へ。
いったん駅の方へ練り歩いた牛鬼も、四つ太鼓を発見。
両者にらみ合い!さあ役者は揃いました。今にもぶつかり合いそうな両者。
「声出せ!声出せェーッ!」いよいよ鉢合せの始まりです!
「よし!行けェーッ!」 その合図とともに両者突進!
ガシイィッ!!と、激突!葉や紙のお飾りが飛び散ります。
牛鬼はたてがみを振り回し、両者押し合い!
「待て!待てぇーッ!」 と、いったん離れる両者。
「わっしょい!わっしょい!」と、巨体を激しく揺する牛鬼。
四つ太鼓も負けずに揺すります。この一連の、ぶつかり合い、いったん離れて、またぶつかり合う、それが何度か繰り返される、それが鉢合せです。
再び激突!激しく押し合います。至近距離で観れるのでかなりの迫力!
四つ太鼓側も、押し合いのときはこんな感じにケツをあげて思いっきり牛鬼を押し上げます。
むかしは、もっと激しく、本気の喧嘩になることもあったとか。
一度、かなり荒れた年があって、牛鬼の面の取り合いになったことがあったのだそうです。
両者が激しく争い、決着がつかず、まわりの人が牛鬼の面を正木酒造の酒蔵に隠します。
それ以来、松丸の五ツ鹿踊りは宵宮祭の後、こっそり正木酒造の店の前でだけ、踊りを踊るようになったのだとか。(松丸の五ツ鹿踊りは今は残念ながら行われていません)
と、いう感じで、今年も見ごたえのある「松丸の鉢合せ」が行われました。
おもむろに方向転換し、駅の方へ去っていく牛鬼。
観客のみなさまも大満足。
ひーくんも初めての鉢合せ見物です。
鉢合せ時は危険なので降りていた四人の子どもたちも、四つ太鼓の上に戻ります。
そして四つ太鼓も、舞台を去り、鉢合せ終了。
以上、2016年の松野町の秋祭りレポートでした。これで完結です。
開催日時の詳細は「吉野編・後編」に記載しましたが、だいたい毎年、吉野の武者行列~もちまきを見終わってから、最後に松丸駅前に来ると、この鉢合せを最後に見物できます。
リアルでローカルな松野町の秋祭り。ぜひ!来年は足をお運びくださいませ~!
★松野町の秋祭り「松丸部落」
◎松野町「松丸部落」の鉢合わせ / 場所は、正木酒造前 / 時間はだいたい15時~16時頃です。
◎アクセス / JR予土線松丸駅下車 / 徒歩3分。
※鉢合せの前には、午前中から一日かけて牛鬼と四つ太鼓が部落内を練り歩きます。