短期集中連載「わが家の移住そのプロセス」第6回!今回は〈自力でやった空家リフォーム〉のお話し。移住してまず行ったのは「家の改修作業」でした。畳の部屋をフローリングにするなど、全て自力でやった空家のリフォーム。移住早々の大仕事でした。





 

 引っ越し当日の夜

引っ越し業者とぼくらが愛媛県松野町の家に到着したのは、2012年7月3日。

この日からわが家の移住生活がスタートしました。

その日は、荷下ろしをして終了。

引っ越し直後の家の中はこんな感じでした。

夕飯は、お隣の鬼北町のスーパーフジで買ってきた、お弁当やお惣菜。

2台あるTVの1台は、空家に置きっぱなしだったものです。

他の写真はここに載せられないほど、家の中は段ボールだらけで、もうぐちゃぐちゃ。

そもそも「まず最初にリフォームしないと生活ができない」と、思ってはいたのですが、やはりなかなか大変そうです。夕飯を食べながら「さっそく明日からやらないと無理だね」と、どこから手を付けるか、計画を立てました。

 


 

引っ越し翌日から改修スタート!

さっそくリフォームに取り掛かることにはしたものの、家の中には大量の段ボール箱が積まれています。荷物を片づけたくても、その前にまず、荷物をしまう部屋をリフォームしないと片付けが出来ないという状況。なので、順番に一部屋ずつ改修を進め、少しずつ荷物を片付けられるようにしていきました。

ぼくらが引っ越した家(築60年以上?)は、以下のような間取りでした。

畳の部屋が3部屋、板張りの台所、お風呂、脱衣所、トイレ(汲み取り式)、物置き。

そのうち、改修したのは以下のとおりです。

畳の部屋2部屋をフローリングにする。

2部屋+廊下+脱衣所の砂壁をすべて剥がし、ペンキで塗り替える

トイレの床が抜けていたので、床板を張り替える

その他、台所に棚を作ったり、不要な引き戸を外したり、網戸を張り替えたり、細かな改修も山のようにありました。また、TVやソファーなど、置きっぱなしになっていた家財道具を処分したり、欲しいという方にもらって頂いたり、納屋に押し込んだりして、なんとか片づけました。

その当時の雰囲気としてはこんな感じ。ここに載せられない写真もいっぱいあります笑。

ちなみに、ぼくも奥さんも美大出身です。ぼくは多摩美中退、奥さんは武蔵美卒です。そのため、学生時代から(ぼくはその後の仕事でも)ひととおりの工具を扱ったことがありました。それがあったので、あまり自分たちで家を改修することに抵抗はなくやれば出来ると思っていました。





 

がんばったのは奥さん!

この家の改修、はっきりいってがんばったのは奥さん!です。

おそらく、作業量としては7:3奥さん:ぼくぐらいだったかと思います。

とにかく朝から晩まで、毎日のように作業に明け暮れたのは「奥さん」でした。

「はぁ??奥さんにやらせて旦那はさぼってたとか最低!」

いやいやいや!いやもうすみません。

ほとんど奥さんが作業していたというのは、まぎれのない事実ですが、ぼくも決してさぼっていたわけではなく(なんか言い訳っぽくなりますが)、ぼくはぼくでちゃんと仕事をしていたのです。一応…。ほんとすみません。

実は、派遣の仕事を終えたあと、実質的にフリーランスとなるのですが、その直後から、自宅で作業できる仕事をまわしてもらえていたのです(なんとありがたいお話し!)。

なので、引っ越し前、東京にいた頃から自宅で作業をしつつ、引っ越した直後も引き続きそのお仕事をしていたのでした。

つまり上の写真は、移住直後、奥さんがリフォーム作業をするかたわら、ぼくが仕事をしていた仮の仕事場です。この状態で東京からのお仕事(デザインや絵コンテ)をしていました。

今見ても、臨場感のる仕事環境ですね!

 


 

砂壁を剥がす!

まず、とにかく家中の砂壁を剥がしました

まさに、この作業のほとんどを行ったのが奥さんでした。

ポンプ式の噴霧器」というものが、ホームセンターで売っておりまして、これが砂壁剥がしの秘密兵器となります。

タンクに水道の水を入れ、上のレバーを上下にスコスコすると、ポンプに空気の圧力がたまります。ポンプに空気がたまったら、噴霧器を手に持ち、砂壁に向けて、フシューッ!とスプレーします。

そうやって、砂壁を水で湿らしていきます

砂壁がよく湿ってやわらかくなったら、ステンレスのへらでこそぐと、あら不思議。

ずるずると砂壁が剥がれるのです。

そうやって家中の砂壁を剥がしました(奥さんが)。

 


 

白く塗れ(壁を)!

砂壁を剥がすとどうなるかというと、その下からは、モルタルっぽい壁が出てきます。

実は剥がしてみるまで、砂壁の下がどうなっているかわからなかったのですが、割と丈夫そうな壁だったので、ここに直接白ペンキを塗ってしまうことにしました。

養生シートを貼って、一斗缶の白ペンキをローラーで塗っていきました。

砂壁を剥がし、白ペンキを塗った脱衣所。こんな感じになります。

 


 

畳をフローリングに!

一番大変だったのが「畳の部屋を、フローリングにする」作業。DIY感ありますね。

まず、畳をはがします。

もうかなり古くてぼろぼろの家の畳なので、半分以上の畳がぶかぶかでした(中が腐っていて踏むとぶかぶかする状態)。

3部屋あった畳の部屋のうち、2部屋をフローリングにしたのですが、剥がした畳のうち、まだ使えるものは、大家さんが「もらっていい?」とおっしゃっられて、近くにある文殊公園のお堂の畳にリサイクルされました。

フローリング材は、調べに調べて、結局ヤフオクで購入しました。

おそらく、内装業者さんだと思うのですが、家を建てて余ったっぽいフローリングを、ヤフオクで格安で売っていたのです。それを使うに足る分だけ購入。

ヤフオクなので届くまで、色や質感などが不安でしたが、実際届いたものはまったく問題のないものでした。

 

さあ!いよいよフローリングを張っていきます。

まず1部屋目は、お客様用リビングみたいな部屋。畳があった部分の段差に、根太を敷きなおし、その間にちゃんと断熱材も敷きました。

写真の上の方に、試しにおいてみた、フローリング材が写っているのわかるでしょうか?

このフローリング材をきちんと寸法に合わせて切らなくてはならなかったのですが、手持ちの道具はふつうのノコギリしかなく、どうしよう?と思っていたところ、当時の西組の組長さん(町内会の組です)が、タイミングよく本格的な機材をいろいろ貸してくれました。

円盤型の刃がついた電ノコに作業台、ちゃんとしたインパクト(電動ドライバー&ドリル)に、サンダー(電動ヤスリ)まで。これらを貸りれていなかったら、どうなったことか…。めちゃくちゃ助かりました。

こちらが完成した床。壁も白ペンキで塗った状態です。

 

2部屋目は、ぼくの仕事部屋になる部屋。

こちらも畳をはがし、根太を敷きなおしました。ただ、こちらはちゃんとした木のフローリング材ではなく、ゴムっぽいシートのフェイクにしました。

細かく根太を組んで、その上に合板を張り、それをベースとして、フローリングのシートを張っていきました。偽フローリングでも、仕上がりは悪くなく、安く済んで良かったです。

こちらが完成状態。窓の近くは、もともとの床板です。

机が置いてある下の床が、フェイクのフローリングです。

フェイクといっても、表面に薄くほんとの木が貼ってあるので、見た目はほぼ気になりませんでした。





 

リフォーム完了!

この他にも、トイレや廊下など、いろいろな箇所を改修。

全ての作業を終えるまで、約2か月かかりました。

 

こうして、ようやく家の中が落ち着き、わが家の移住生活が始まりました。

本当は、おしゃれな古民家みたいな家に暮らす移住生活を夢見ていた部分もあるのですが、わが家は結果的に「質よりコストを優先」しました。

当時、ぼくらには子どもがおらず、夫婦2人だけだったので、まあ自分たちだけなら多少のことは我慢できてしまった、というのが実際のところ。

お金をかけた快適さはない代わりに、リフォーム費用を抑えることが出来、そもそも家の家賃も激安。この時は、何より移住スタート時のコストをいかに節約するかが重要だったのだと思います。

 

次回!とりあえずの最終回!「移住直後の暮らし編」です。

いよいよ始まる移住の暮らし。実際の移住先での生活はどんな感じだったのか?移住直後のわが家の日常を、最後に少しだけお届けします。

お楽しみに~!

つづく

 


 

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第1回 世界一周の旅

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第2回 車中泊の旅(前編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第3回 車中泊の旅(後編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第4回 移住の準備(仕事編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第5回 移住の準備(下見&引っ越し編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉最終回 移住後の暮らし

 


 

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