短期集中連載「わが家の移住プロセス」!ついに最終回です。ようやく始まったぼくらの移住生活。実際、暮らし始めてみてどうだったのか?最終回では〈移住直後〉のぼくらの日常を振り返ってみたいと思います。





 

移住直後の暮らし

ぼくらが愛媛県松野町に移住したのは2012年7月。

引っ越した直後から約2か月間、家のリフォームに明け暮れたのは前回書いたとおりですが、今回お届けする〈移住直後のぼくらの暮らしは、その2012年7月から9月いっぱいぐらいまでの様子です。

家の改修をしながらも、ご近所の方々によくしてもらい、家のまわりに広がる里山の風景の中で過ごす日々は、東京のそれとは大きく異なるものでした。

その雰囲気や、空気感を、多少なりとも感じられそうな写真と一緒に最終回をお届けします。

 


 

おすそ分けどっさり!

里山に暮らす人には日常茶飯事のことですが、東京からいきなり松野町に移ったぼくらにとって「ご近所さんからもらうおすそ分けほど嬉しいものはありませんでした。

おすそ分けがどれも美味しかったのはもちろん、まだ何もわかっていないぼくらを、受け入れてもらえたような気がして嬉しかったです。

 

裏のおばちゃんに突然「これ食べて~!」と渡された夏野菜。これが初めてもらったおすそ分け。もう本当に嬉しかった!です。

一番よくいただくのは、やっぱり野菜と果物。トップの画像も全部おすそ分けです。

引っ越してすぐの頃は、いろんなご近所さんから、挨拶がわりに「愛媛の味」をおすそ分けでいただきました。下の写真は、大家さんから頂いた宇和島のじゃこ天と、ご近所さんにいただいたばら寿司

他にもいろいろ!一匹まるごとの鮎の甘露煮に、ツガニ入りのいもたき。そして松野町の特産品である、そして右下の写真は、なんと天然うなぎ!です。

こうして並べてみると、めっちゃ豪華ですね。

柑橘王国愛媛の柑橘に、下の写真は馬刺しです。美味かった~!

こちら、ご近所のとみこさんが作っているおまんじゅう。

若い女性(奥さんのこと)が引っ越して来たと聞いて、わざわざ挨拶に来てくれたのです。

とみこさんの作る、おまんじゅうやおはぎは、甘すぎず、あんこが上品で、お世辞抜きですごく美味しいです(道の駅かごもり市場で販売中)。

この時、とみこさんが挨拶に来てくれたことがきっかけで、うちの奥さんが「おかあさんレストランバイキング」のばあちゃん達の仲間に入れてもらえることになるのですが、その話しはまたいずれ。





 

新しいわが家の近所を散歩してみる

東京での暮らしと大きく違うのが、自然あふれる近所の環境。

ご覧ください。これ全部、うちから散歩で行ける、徒歩圏内の風景です。

第4回でも書きましたが、自宅で仕事していて、息抜きに一歩、外に出るだけでこの環境です。ほんと~にストレスレス。こんな贅沢な暮らししちゃって本当にいいのかな?って、移住直後は毎日のように思ってました。

こちらは、大家さんに連れて行ってもらった湧き水スポット。

ここは、松野町ではなく隣の鬼北町。ここすごく良いです。

そう、松野町に住むと、松野町近隣の良いスポットも一緒に楽しめてしまうのです。その最たる場所のひとつがこちら。

日本最後の清流、四万十川です。ぼくらの移住した家から、あの!四万十川まで車でたったの30分。我ながらいい場所見つけたなぁ~!と思います。





 

奥さん、ガスオーブンを買う!

うちの奥さんは、ものすごい倹約家で有名(?)なのですが、そんな奥さんが珍しく、清水の舞台から飛び降りて購入したのが、こちら!

ガスオーブン!です。業務用にも使えるパワーのあるやつです。

あまり知られていないと思いますが、松野町のみならず、愛媛県は食材の宝庫」なんです。柑橘はもちろん、季節ごとに美味しい野菜がたくさん採れます。

広見川では、上海蟹そのまんまの味覚ツガニが獲れますし、何より天然うなぎも獲れるのです。

そして宇和海の美味しい魚。「宇和海の魚」といえば、その触れ込みだけで東京で店が成立するほどだと思います。鯛やハマチ、マグロの養殖も盛んですし、愛南町では、牡蠣も養殖されています。

なんでもかんでも採れるので、この辺りは豊かすぎるのです。

それゆえ南予は(都会から遠いからだとは思いますが)これまであまり観光地化もされず来ました。つまり、ぼくらが移住した松野町というのは、ありのままの里山の風景がいたるところに色濃く残っている地域がなのです。

ほんと、移住にはもってこいの町だと思います。

そんな「食材の宝庫」、愛媛県南予松野町に移住したからには、料理をしなくちゃもったいない!というわけです。奥さんは、料理が好き&得意です。パンもお菓子も作ります。生地からピザも作りますし、麺を打ってジャージャー麺を作ったり、皮から小籠包や肉まんまで作ります。

こちらが、引っ越してすぐの頃に奥さんが作ったケーク・サレ。塩ケーキです。

これを、おすそ分けのお返しにご近所に配りました。

このケーク・サレ、いい塩梅に仕上がって、かなり美味しかったのですが、この頃まだ、ぼくらは知らなかったのです。愛媛が「甘い食文化」の国であることを…(笑)。

愛媛の食文化は、かなり独特で面白いのです。たぶん、東京ではほとんど知られていないと思います。ぼくらも移住するまでまったく知りませんでした。なので、引っ越した当時はかなり衝撃で、慣れるまで少し時間がかかりましたが、ぼくなんかは今ではもう完全に愛媛舌。東京で外食すると「なんか甘さが足りないなぁ」などと思ったりします(笑)。

コメントでご指摘いただきました!愛媛でも南予(ぼくらの住む松野町がある南愛媛)は特に味付けが甘いのだそうです。松山(中予)や今治(東予)方面は、また少し違うのかも?ですね。その辺りもいつかリサーチしてみたいです。

愛媛の食文化についても、長くなるのでまたいずれ別記事で。

以下、移住直後に奥さんが作ったものいろいろです。

季節は夏!でしたので、旬の夏野菜。そして右の写真は、トマトのスムージーです。

また話しが逸れますが、松野町では(というか地方では)、野菜は旬のものしか買えないのが基本です。言っている意味わかるでしょうか?東京では、トマトもきゅうりもキャベツも白菜も、1年中いつでも店に並びますよね。でも松野町だと、春には春野菜、夏には夏野菜、という具合に、基本的に旬の野菜が店に並び、みんなそれを食べるのです。というか、旬じゃない野菜は高いし当然美味しくないのでわざわざ買って食べないのです。(温室じゃない)トマトが並び始めると「ああ、夏になったな」と思いますし、冬にキャベツと白菜が手頃な値段になると「ああ、冬だな」と思うのです。

それが、衝撃でした。そして、これこそが当たり前の自然な暮らしだよな~!と感動したのです。季節ごとに旬の野菜や果物を食べる。なんて贅沢!こんな贅沢な暮らしが出来るのが移住生活です。

ちなみに、旬のトマトもきゅうりもめちゃくちゃ美味しいです。そして激安

信じられます?東京だとトマト1個の値段だと思います。この竹葉さんのトマトがわが家のお気に入り。毎年楽しみにしています。

 

こちら、きびなごのお刺身です。めっちゃ新鮮なきびなご。足が速いので産地でしかありつけない、これまた贅沢な逸品。

土鍋で炊いた鯛めしです。めっちゃ美味しい!です。宇和島鯛めしは全然違うスタイルで、これは松山や今治(つまり南予以外の愛媛)スタイルみたいです。この時はチダイでした。今ではやっぱり真鯛が最高に美味だよな~と思っています。

こちらは、大家さんのお宅でごちそうになったシソジュース

それを真似して、奥さんも作りました。赤シソで作ります。

すっきりさわやか。夏の味です。

そして、栗。栗もおすそ分けで貰える初秋の味覚。もちろん地物です。

上から、渋皮煮茶巾包み、そして土鍋栗ご飯です。すべて奥さんの手作り。贅沢すぎるでしょ?しかも全ておすそ分けでいただいた栗。しつこいですが松野町の地栗です。

宇和海の魚も新鮮で最高!です。

奥さんお手製の鯖寿司。めっちゃ美味しいです。

下はハガツオの刺身。ハガツオって、こっちに来て初めて食べました。

すっごく美味しいです。

東京の頃は、奥さんカツオの刺身嫌いだったのですが、こっちに来て好きになりました。ちなみに高知の、ちゃんと藁で炙ったカツオのたたき、めちゃくちゃ美味いです。

松野町は、愛媛の南西、高知に隣接しているので、土佐料理も楽しめちゃいます。松野町は特に県境の町なので、土佐の影響もあり、宴会料理は皿鉢です。

 

どうですか、最高でしょう?

移住の暮らしって、こんなにも贅沢なんですよ。

 





 

スーパーでお買いもの

スーパー好きなぼくら夫婦には、スーパー巡りも楽しみのひとつ。

松野町のお隣、車で15分ぐらいの鬼北町には大きなスーパーが2軒。

宇和島(車で30分)まで足を延ばせば、更に6~7軒スーパーがあります。

今はもうなくなってしまったのですが、好きでよく食べていた森本豆腐の豆腐のみみ。鬼北町、宇和島にある、しんばしというスーパーで売られていました。要は、端っこの切り落とし。固めの木綿で、美味しかったのにな~。

 


 

地元の夏祭り

意外と(失礼!)盛大に行われるのが夏祭り。松野町では、町をあげての大きな祭りの他、各部落ごとにも花火大会(ちゃんと打ち上げ花火をあげるのです!)が開催されます。

ローカル感溢れる夏祭りは、のどかで雰囲気も最高です。

移住してすぐに、宇和島でも夏の牛鬼祭りがやっていたので見に行きました。

最初の年は、夜の和霊神社前の、走り込みなどが観れました。

車でちょっと足を延ばしただけで、東京にいたらわざわざ旅行で行かないと見れないような、四国の伝統的な祭りが観れるのです。これまた贅沢!

 


 

町内会には入った方がラク

実際に移住してみて思ったのは、町内会(松野町の場合は部落、組、班)には入ってしまった方がむしろラク!だということ。

なんとなく面倒くさそうなイメージもありますが、実際は大したことないものです。

年に数回の奉仕活動(みんなで掃除)や、年に数回の集まりへの参加、回覧板をまわす、そのぐらいです。

むしろ「入らないでいる方が、ご近所と「が出来てしまって大変なような気がするぐらいです(あくまで松野町の場合です)。

奉仕活動は、うちの場合は近所総出で草刈りをするのですが、一緒に掃除をしながら、ふだん気になっていることを聞けたり、色々情報交換の場になって、けっこう便利でした。

うちのご近所さんは、みなさんほんといい人ばかりなので、正直、移住前は「ご近所づきあいめんどくさいのかな」と心配していましたが、まったくの杞憂に終わりました。

移住直後は、わからないことを親切に教えていただいてほんと助かりましたし、かといって構われ過ぎることもなく、適度に放っておいてくれたので、ぼくらは本当にラクでした。

親切に世話を焼いてくれるし、ちょうどいい距離で放っておいてくれるご近所さん。移住直後に一番お世話になったのは近所の方々だと思います。

ご近所づきあいがラクだと、移住の暮らしは格段に楽しくなる!と思います。





 

移住は贅沢!

というわけで、ぼくらの移住直後の暮らしはこんな感じでした。

書きたいことはまだありますが、収まりきらないので、今回はここまで。

 

移住した直後は「いや~ほんと贅沢な暮らしを始めちゃったものだな~」と、毎日のように思っていました。そして、こういう環境の中で毎日の生活を送ることが、いかにストレスが無いものかを知ったのです。

逆に言えば、それは、今までの東京暮らしがいかにストレスのかかる生活で、どれだけ心身に負担をかけていたかを思い知った、ということでもありました。

美味しい食材に溢れたストレスの無い生活

それが手に入っただけで、ぼくらにとって、移住は大成功だったのです。

 

 

移住して正解だった(東京には戻りません)

あれから4年半が経ち、今でもぼくらは松野町で暮らしています。

(ちなみに家はその後はあまり探さず、最初の家にそのまま住み続けています)

去年、ひーくん(長男、日和くん)が誕生し、先日めでたく1歳の誕生日を迎えました。

ひーくんが産まれて、改めてぼくらはこう思いました。

「ほんと、松野町に移住しておいてよかった」と。

自然に溢れた環境の中で、子どもが出来たことを喜んでくれる周りの人たちに囲まれて、ひーくんはすくすくと育つことが出来るのです。こんなに安心なことはありません

もし、東京にいたら(そもそも奥さんは東京で子どもを作りたくなかったのですが)こうはいかないはずです。

家の中でひーくんが泣いたら、まずぼくらはこう思うでしょう。

「やばい!近所に迷惑…!」と…。

子どものことより、他人の目や耳を気にしなくてはならない生活。

いやもう、ホント無理です。

松野町のご近所の人はこうです。

「最近ひーくんの泣き声聴こえんでどうしてる?」

こう言ってもらえることが、どれだけありがたいか!

育児をする側にとって、こんなに助かることはありません。

また、今でもときどき、「あんたらも、そのうち東京に戻るのかい?」と聴かれることがありますが、ぼくらが東京に戻ること、都会に戻ることは、今後一切ありません。

これだけは断言できます。200%ないです。

自分たちが暮らしたくないですし、ひーくんを都会の小学校や中学校に通わせたくありません。

もし松野町を離れることがあったとしても、その行先が東京でないことは確かです。

もし引っ越すとしたら、東南アジアとか…?

 


 

というわけで、長らくおつきあい頂きました、この短期集中連載(あまり短期でもなかったですが)も、今回で最終回!最後まで読んでいただいてありがとうございました!

とりあえず今回は、ここでいったん終了ですが、同様のテーマでまたいろいろ記事は書くと思います。あ、それに、ブログはまだまだ続きます!

今後ともどうぞよろしくお願いします~!

 


 

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第1回 世界一周の旅

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第2回 車中泊の旅(前編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第3回 車中泊の旅(後編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第4回 移住の準備(仕事編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第5回 移住の準備(下見&引っ越し編)

わが家の移住〈地方移住そのプロセス〉第6回 空家リフォーム(自力編)

 


 

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